歌の語や文節を普通の順序とは逆にする表現です、「倒置法」とは。
と、このように使います。
言いたいことを最後に持ってくることで、読み手の意識を誘います。

倒置法は説明すると難しいように思えますが、私たちは自然に使いこなしています。
そのためか、注意深く和歌を見ないと見逃してしまいそうです。

例えば以下の和歌
315「山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へは」(源宗于)
普通の順序は「人めも草も かれぬと思へは 山里は 冬ぞさびしさ まさりける」ですね。

909「誰をかも しる人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに」(藤原興風)
こちらの普通の順序は「高砂の 松も昔の 友ならなくに 誰をかも しる人にせむ」です。

倒置法の歌はけっこうあります。
「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに」(小野小町)
「月みれば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」(大江千里)
「しのぶれど 色に出にけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)

ちょっとひねくれている方が味わいがありますね、人も和歌も。

(書き手:内田かつひろ)

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