●10月10日

あの有明の朝から
彼とはほとんど会ってない

今日も友達と予定があるとかって
みじかいLINEが来た

彼はこんな一文で済ませてくるけど
私はもっともっと話がしたい
こんなに好きだってこと、全力で伝えたい
会えばきっと、私のこと分かってくれるはずだから

小萩に置いた露が重たくて
それを払ってくれる風を待つように

私も彼からの連絡をひたすら待ってる

694「宮城野の もとあらの小萩 露をおもみ 風を待つごと 君をこそまて」(よみ人しらず)

●10月25日

もう限界!
このままずっと待ってるだけなんてできない

私に足りないのは行動力
嫌われたっていい
彼の気持ちが知りたいの

だから、
いつかみたいに「来ちゃった」ってやつ
リベンジしてみたんだけど、
やっぱ無理かな…

ううん、今回は部屋の灯りはついてるの
でもいざとなると、ドアをノックできない
何にビビってんだろ私、、

あ~
初雁が鳴いて通り過ぎるように
私が何度も何度も、家の周りを行ったり来たりしてんの
彼に知らせてやりたい!

735「思ひいてで 恋しき時は 初雁の なきてわたると 人しるらめや」(大伴黒主)

●10月25日

私ずっと、彼のこと一途に思ってた
内緒で付き合おうっていうから
それを真に受けて、誰にも言わないでいた

それがなによアイツ
別の女しっかり連れ込んでイチャついてんじゃん
窓越しに、私はっきり見たわ

ほんとバカ
なんなのよ
とにかく最悪

今はもう、何も考えられない

748「花すすき 我こそしたに 思ひしか 穂に出でて人に 結ばれにけり」(藤原仲平)

つづく…
(書き手:内田かつひろ)

「妄想女子の恋歌日記」一覧

この記事の音声配信「第47回 妄想女子の恋歌日記(恋待ち切れぬ10月)の巻)」を
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「四季を味わうルールブック」~古今和歌集で知る日本文化の基本~

「日本は四季が素晴らしい! 」なんて言葉をよく聞きます。
ではその素晴らしい四季、みなさん堪能していますか?
おそらく大半の方は、春の「お花見」、秋の「紅葉狩り」を楽しむ程度に終始しているかと思います。
しかし本来、日本の四季はもっと多様でもっと深く味わえるものなのです。
それで満足しているなんて、私としては「もったいない」としか言いようがありません。
みなさんが日本の四季を十分に味わえていないのには理由があります。
それは四季ひいては日本文化を鑑賞するための「ルールを知らない」のです。
そして他ならぬこのルールブックこそが「古今和歌集」なのです。

本書では古今和歌集の四季(春夏秋冬)歌に焦点を絞り、分かりやすく解説しています。
これをご覧いただき、日本の四季を堪能するための「基本ルール」を身に付けていただければ幸いです。


 
書籍版「百人一首の歌人列伝」

平成和歌所から本が出ました。その名も「百人一首の歌人列伝」!
百人一首は歌ではなく「歌人を楽しむ」ものです。厳選した百人一首二十歌人の面白エピソードと代表歌をぜひ知ってください。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。


わくわく和歌ワークショップ
 
はじめての古今伝授と連歌会

平成和歌所では、誰でも歌を楽しめる「あさぎいろ連歌会(Word Association Game)」を行っています。日本語の「ことばあそび」を存分に楽しみましょう。