2202119
和歌の歌風、スタイルは大ざっぱに「万葉風」「古今風」「新古今風」と三種類に分けられることが多いです。
これら「万葉集」「古今和歌集」「新古今和歌集」の3つはいわゆる和歌「三大集」と呼ばれ、数ある和歌集のなかでも特に重要視されています。
※ちなみに「三代集」は、「古今和歌集」「後撰和歌集」「拾遺和歌集」のことを指します

天皇が編纂を命じた「勅撰和歌集」が全二十一集あるなかで(万葉集は該当しません)、特にこの三集が重要視されるのには当然理由があります。
それは歴史的なターニングポイントに編纂されたという点も大きいですが、やはり歌風の違いが顕著だからでしょう。

例えば「万葉集」。素朴で力強いスタイルから「益荒男ぶり」なんて言われます。
一方「古今和歌集」の理知的で感情を抑えたスタイルは「手弱女ぶり」と言われ、万葉集と対比されたりします。
「新古今和歌集」に関しては「…ぶり」という言い方は聞きませんが、優美な情景歌が多いことから「絵画的」なんて評されます。

これだけでは歌風の違いが分かりづらいかもしれませんね。
では唐突ですが、誰でも知ってる「ザ・ビートルズ」のアルバムで例えてみましょう。

万葉集を例えるなら「プリーズ・プリーズ・ミー」です。
歴史に冠たるファーストアルバム。憧れのミュージシャン(白楽天など漢詩人でありエルビス・プレスリー)を目標に、素朴でライブ感満天のロックンロールで占められています。

古今和歌集は「ア・ハード・デイズ・ナイト」、「ラバーソウル」。
全曲オリジナル作品で占められ、ついに独自の作風を確立。作曲技術も革新され、後世のミュージシャンへ多大な影響を与えました。

新古今和歌集はさしづめ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、「ホワイトアルバム」でしょうか。
現実を超え幻覚を覚える様な実験的な歌が揃います。またアーティストの個性が際立つ反面、全体の統一感が徐々に薄れています。

いかがでしょう、三大集の違いがお分かり頂けたでしょうか?

ん~、まだまだ分かりづらいですね。
やはり具体的な歌を取り上げて違いを比べましょう!

ということで次回、「七夕の歌」で万葉集、古今和歌集、新古今和歌集を比較してみようと思います。

→「七夕の歌で知る万葉集、古今和歌集、新古今和歌集の違い

(書き手:内田かつひろ)


 
「四季を味わうルールブック」~古今和歌集で知る日本文化の基本~

「日本は四季が素晴らしい! 」なんて言葉をよく聞きます。
ではその素晴らしい四季、みなさん堪能していますか?
おそらく大半の方は、春の「お花見」、秋の「紅葉狩り」を楽しむ程度に終始しているかと思います。
しかし本来、日本の四季はもっと多様でもっと深く味わえるものなのです。
それで満足しているなんて、私としては「もったいない」としか言いようがありません。
みなさんが日本の四季を十分に味わえていないのには理由があります。
それは四季ひいては日本文化を鑑賞するための「ルールを知らない」のです。
そして他ならぬこのルールブックこそが「古今和歌集」なのです。

本書では古今和歌集の四季(春夏秋冬)歌に焦点を絞り、分かりやすく解説しています。
これをご覧いただき、日本の四季を堪能するための「基本ルール」を身に付けていただければ幸いです。


 
書籍版「百人一首の歌人列伝」

平成和歌所から本が出ました。その名も「百人一首の歌人列伝」!
百人一首は歌ではなく「歌人を楽しむ」ものです。厳選した百人一首二十歌人の面白エピソードと代表歌をぜひ知ってください。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。


わくわく和歌ワークショップ
 
はじめての古今伝授と連歌会

平成和歌所では、誰でも歌を楽しめる「あさぎいろ連歌会(Word Association Game)」を行っています。日本語の「ことばあそび」を存分に楽しみましょう。