現代に「和歌」を詠む意味とは?

近年、「令和の短歌ブーム」だそうです。ある記事には『若い世代がポップな言葉で自ら歌を詠み、SNSに投稿する人が増加』と書いてありました。しかし、これはあくまでも「短歌」であって、「和歌」は変わらず『埋もれ木の人知れぬこと...

比べてわかる「和歌」と「短歌」の違い!

令和和歌所では「和歌」を詠んでいます。ここで湧いてくるのが、和歌と(現代)短歌の違いはなにか? という素朴な疑問です。 表面的に明らかなのは、和歌は「大和言葉(やまとことば)=和語」のみを用いて詠むということです。そもそ...

和歌とは? 「美を志向する、大和の音楽(みんなで仲むつまじく)」である

和歌とは何か? このざっくりとした質問に、ざっくりとお答えいたしましょう。 実のところ「和歌」は、このネーミングに主旨が端的に言い表されています。「和」は「やまと(大和・日本)」です。本来的には「歌」でよかったところを、...

大伴家持 ~流浪の人、家持たぬ家持の万葉オシャレ歌~

万葉集を代表する歌人と言えば? 歌の聖「柿本人麻呂」や「山部赤人」、筑紫歌壇の双璧「大伴旅人」や「山上憶良」らの名も挙げられるかもしれませんね。しかし、ナンバーワンはやはりこの人ではないでしょうか、「大伴家持」です。万葉...

歌合・歌題「忍恋(しのぶこひ)」

「忍恋(しのぶこひ)」とは恋の初期段階における心で、恋する相手に知らせず、また周囲にも知られずに、密かに自分の中にだけ思いをとどめおく恋のことです。これは恋愛における男性の基本態度、いわゆる恋の「男歌」となります。一方で...

樋口一葉(夏子)の歌について

樋口一葉は歌人の中島歌子が主宰する歌塾「萩の舎」で歌や書また源氏物語などの古典文学を学びました。一葉の作品に共通する「雅俗折衷体」という文体、底流する「叶わなぬ恋」といったテーマは、萩の舎で学んだ古典教養に礎があったので...

「月は隈なきをのみ見るものかは」仲秋月に寄せて

「月は隈なきをのみ見るものかは」とは言わずもがな、かの兼好法師が「徒然草」に残した名言です。ようするに「お月さまはくっきり見えるのだけがいいんじゃないよ」ということで、中世のわびの精神が端的にあらわれていると評価されてい...

必読! 和歌とは道である

歌とはなにか、短歌を詠むとはいかなる行為か。この問いに近現代の詠み人の大半はこう答えるでしょう。「私の内なる感情の表白」であると。 そうした瞬間、歌の良し悪しは「個性」に定められます。自分の心情を赤裸々に告白し、だれでも...

和歌と平安王朝へのレクイエム、「百人一首(一覧)」の各楽章を知る!

「百人一首」とは歌道をひた歩む歌道家「藤原定家」が、落日の王朝とその文化的支柱たる和歌へ手向けたレクイエムです。  →「百人一首とは、和歌と王朝へのレクイエム」 それは序章の天智、持統天皇、終章の後鳥羽、順徳院に明確な主...

百人一首とは、和歌と王朝へのレクイエム

天智天皇から始まり順徳院で終わる、百人一首の生命はこの一点に尽きます。百人一首だけ眺めていてもわかりずらいのですが、他の撰集と比べてみると、この百首歌の際立つ特異性が理解されるでしょう。 百首歌という形式自体はけっしてめ...

【百人一首の物語】百番「ももしきや古き軒端のしのぶにもなをあまりある昔なりけり」(順徳院)

百番「ももしきや古き軒端のしのぶにもなをあまりある昔なりけり」(順徳院) 百人一首を締めくくる歌人、順徳院。後鳥羽院の第三皇子で父院の多大な影響のもと、和歌をはじめ詩歌管弦また有職故実の研究に心血を注ぎました。その成果の...

【百人一首の物語】九十九番「人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は」(後鳥羽院)

九十九番「人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は」(後鳥羽院) ついに百人一首も二首を残すのみとなりました。しかしこの二首こそが百人一首を百人一首たらしめる二首であり、後鳥羽院、順徳院がここに置かれていな...

百人一首はなぜつまらないか

百人一首は華やかなる王朝文化を今に伝える屈指のアンソロジー。学校で教わったこともあるでしょうし、お正月にカルタ遊びで触れたこともあるでしょう。和文化が加速的に廃れゆく今、気軽に古典文学に触れられる歌集として、この価値はい...

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